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社長就任への決意表明か サントリー・鳥井信宏副社長が全社員に送った熱いメール

鳥井信宏副社長が社員に送ったメールの内容【前半】

鳥井信宏副社長が社員に送ったメールの内容【前半】

『なぜザ・プレミアム・モルツは売れ続けるのか?』の著書がある経済ジャーナリストの片山修氏がその背景を語る。

「これは推測ですが、コロナ禍が理由で交代が延期されたのではないでしょうか。飲食店の時短営業などで業務用のビールの売り上げが大幅に減少しています。おそらく新型コロナが収束し、ビール事業など酒類の経営環境が良くなったら、バトンタッチしようとしているのではないでしょうか」

目頭が熱くなった

 鳥井氏は並々ならぬビール事業への思いをメールに綴っているが、そうした情熱は創業家出身で先代社長である佐治信忠会長(76)を含め、脈々と受け継がれてきたものだ。ビール事業を扱う中核子会社・サントリービールの社員が言う。

「鳥井さんはもちろんですが、『プレモル』には佐治会長も強い思い入れがある。もともと創業家は赤字事業だったビール事業を抱え続けて、積極的な投資を惜しまなかった。その結果がプレモルのヒットであり、2008年に46年目で初の黒字化となった。コロナ禍では新商品の糖質ゼロビール『パーフェクトサントリービール』のロゴがデカデカとプリントされたマスクが社員1人につき6枚も配布され、ビール関連の事業への会社の本気度を感じました」

 そしてこの男性は、長文のメールを読み終えると創業家への尊敬の気持ちを新たにしたという。

「サントリーは飲料の種類によって細かく分社化されているので全社員向けのメールというのは少ないのですが、将来トップに立つ鳥井さんがビールについて強い想いを持っていてくれて目頭が熱くなりました。人それぞれの思いがあるでしょうが、サントリーは社員の創業家へのリスペクトが強い会社だと思います。特に鳥井さんは誰に対しても低姿勢で、この前エレベーターで一緒になった時も『すみません』と頭をペコッと下げて乗ってこられたくらいです」

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