サントリーは鳥井氏の全社メールの翌日に発表した2021年12月期の連結決算で増収増益、2022年の業績予想は過去最高益を見込む。さらに政府が求める「3%の賃上げ」の実施を発表し、驚かせた。“大政奉還”への環境は着々と整ってきており、早ければ3月末の株主総会をもって交代する可能性も否定はできない。
「今回の鳥井氏のメールが社長就任への“決意表明”という見方もできなくはない。同時にアフターコロナに向けて、社員の覚悟を求めたということですね。ビール事業の好業績を社内外にアピールするため、社員に発破をかけたということかもしれません」(片山氏)
サントリーにメールについて聞くと「鳥井は国内酒類事業の責任者として、様々な発信をしています。今回のメールもそのひとつです。社長交代について現時点で決まったことはありません」(広報部)と回答した。
サントリーの社長交代が財界の耳目を集めるのは、鳥井氏の社長就任後、新浪氏の今後が注目されているという面もある。日本一のオーナー企業のトップ交代は近いのか。
※週刊ポスト2022年3月11日号