降雪状況の一層の悪化が予想されるときには、ホワイトアウトになる前に、すぐにでも停止できるよう徐行する義務もあります。
降雪や地吹雪で断続的に視界不良の状況下、時速30kmで走行、歩行者と衝突したケースでは、歩行者の通行もあり得るのに、急停車できる速度まで減速していなかったとし、安全運転義務違反にした判例があります。運転者は追突される危険性を主張したのですが、全ての運転者に同じ義務があるので、その反論は否定されています。
なにより、車間距離保持義務や安全運転義務を守ってさえいれば、事故は起きなかったはず。ホワイトアウトは、言い訳になりません。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2022年3月11日号