投資情報会社・フィスコが3月7日~3月11日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円はもみ合いか。ウクライナとロシアの停戦協議ですみやかな合意形成は困難とみられ、地政学リスクの増大が引き続き警戒されていることから、安全逃避的なドル買いが縮小する可能性は低いとみられる。米国のインフレ進行が意識されているが、金融引き締め加速の思惑はやや弱まるとみられる。ウクライナとロシアの停戦に向けた交渉で、ロシアは北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大の転換を求め、対ロシア制裁を強める欧米との対決姿勢を鮮明にしている。ウクライナのNATO加盟をめぐり調整は困難とみられ、ロシアによるウクライナ攻撃は激しさを増す可能性がある。
市場参加者が期待する平和的な解決への期待は後退し、ウクライナ情勢は混迷を深めることから、リスク回避的な円買いが大幅に縮小する可能性は低いとみられる。目先的にクロス円の取引では円買いが優勢となりそうだ。ただ、ユーロドルの取引でユーロ売り・米ドル買いが弱まる気配はないため、ドル買いと円買いにつながる材料は混在している。そのため、ドル円は115円台を中心に、もみ合う状態が続くとみられる。
【米・2月消費者物価コア指数(CPI)】(10日発表予定)
3月10日発表の米2月CPIは前年比+6.4%と予想されており、インフレ進行を示唆する数字になりそうだ。ただし、市場予想を下回れば金融引き締め加速の思惑はやや後退し、ドル売りの要因となろう。
【米・3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報】(11日発表予定)
11日発表の米3月ミシガン大学消費者信頼感指数は62.8と、2月の62.8と同じ水準となる可能性がある。低水準ながら回復傾向を維持できれば成長持続への期待から株式相場を支える要因に。