ロシアのウクライナ侵攻による地政学リスクの高まりを受け、株式市場には急落の懸念がある。3月には米国で利上げが実施される見通しで、先行きは不透明だ。危機的状況下で資産を守り、増やすには、専門家の知見が必要になる。経済アナリストの馬渕磨理子氏、タレントで投資家としても知られる若林史江氏、杉原杏璃氏の3人が座談会を開催した──。【全4回の第2回。第1回を読む】
馬渕:それにしても今年の株式市場は不透明感が強まっています。直近のウクライナ情勢に加えて、台湾など地政学リスクが高まっている。これまで世界的な株高を支えてきたFRB(米連邦準備制度理事会)が、3月にも利上げに踏み切ると見られるなど、株式市場にとってはセンシティブな状況ばかり目立ちます。
杉原:私はそこまで専門家じゃないので、この先どうなるかはお二人に教えてもらいたいです。
若林:確かに今年は厳しい相場が続くでしょう。FRBも難しい舵取りを迫られるし、11月の米国中間選挙でも民主党の劣勢が伝えられ、議会のねじれが予想される。株価は政治の低迷を嫌うので、これもマイナス要因。日本ではやっぱり岸田首相が不安要素ですよ。投資家の岸田政権支持率は5%を切るほど、まったく歓迎されていない。
馬渕:“マーケットアンフレンドリー”なんですよね。株価の追い風になるはずの企業の自社株買いを規制しようとしたり、投資家の利益を減らす金融所得課税の強化をちらつかせたり……。
若林:そうそう。投資家に牙を剥くようなことばかり。日本市場の7割を占めるとされる海外投資家からも不評で、今年に入ってからも売り越しが目立っている。チャートで見ても、日経平均株価はまだまだ下がって、2万4000円台で下げ止まってくれれば御の字というイメージ。
杉原:あくまで願望ですが、コロナが落ち着いてくれば、日経平均も3万2000円台が期待できると思っています。7月の参院選で自民党が単独過半数を取ると思っていて、コロナからの回復に向けて上場企業がやる気になっているはずだし、そこに期待したい。