田代尚機のチャイナ・リサーチ

バフェット氏「米石油株買い増し」で懸念される世界経済の大きな不安

バフェット氏の投資ポジションから何が読み取れるか(Getty Images)

バフェット氏の投資ポジションから何が読み取れるか(Getty Images)

 ニューヨーク証券取引所(NYSE)上場の石油開発会社・オキシデンシャル・ペトロリウム(OXY)の株価が急騰している。

 2月25日の終値は38.74ドルであったが、28日以降急上昇しており、3月7日は少し下げたがそれでも終値は55.38ドルで、この間の上昇率は43%に達している。同じ期間のNYダウが4%下落していることを考慮すれば、同社のパフォーマンスは飛び抜けている。

 業務内容はアメリカ、中東、北アフリカ、南米などでの石油、天然ガスの採掘調査、開発、生産で、アメリカ国内では業界4番手の企業である。

 産油国であるロシアが2月24日、ウクライナに軍事侵攻した。それ以前からはっきりとした上昇トレンドを形成していた原油先物価格は、そこからさらに急上昇している。今後、同社も業績の大幅な上方修正が予想されており、株価上昇期待も高まっている。

 ただ、この銘柄が急騰している理由は、もう一つある。米著名投資家、ウォーレン・バフェット氏が同社株を買い増していることが分かったのである。

 オキシデンシャル・ペトロリウムは3月1日の大引け後、「5%以上の大量保有」について情報開示を行った。それによると、バフェット氏が会長を務めるバークシャー・ハサウェイの保有株は1億1300万株に達していることが分かった。しかもこの銘柄、2020年第1四半期の時点で一旦、売却していた銘柄である。

 2月に投資家向けに配られた“バフェット氏からの手紙”によれば、大手エネルギー会社であるシェブロン(CVX、NYSE)が重要投資先15社の1角を占めている。この銘柄は2021年前半に買い増したことで市場の注目を集めた銘柄だ。

 長期投資が基本スタンスのバフェット氏が買っていることから、「ここから買っても大丈夫ではないか」と考える投資家も多い。それが株価急騰に拍車をかけているのだろう。

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