今のソシャゲ全盛時代とは逆行する考えであることは承知しています。それでも私としては、スーパーファミコンの『ドラゴンクエストVI』で最強の仲間モンスターである「ランプのまおう」を仲間にするために20年もの時間をかけたり、ニンテンドーDSで、『ファミスタ2010』をいまだにやったり、PS2で『ウイニングイレブン2012』をやるのが好きなのです。そして、『ドラゴンクエストV』では「キラーマシン」を、『ドラゴンクエストVI』では「キラーマシン2」を仲間にすべくトライするのが一番楽しい。これは自分ひとりでしか達成できない娯楽です。
ファミスタについてはもっとも熱心に野球を見ていたのが2010年で、ウイニングイレブンについてはサッカーを2012年頃よく見ていたから、どちらも知っている選手が多いという理由で、当時のバージョンをやり続けています。
一回ソフトを買ってしまえば、その後の課金もなく、他人との関与もない「ぼっちゲーム」。もっとその楽しさが見直されてはよいのではないでしょうか? 多分、私はずっとこのスタイルを貫くと思います。
【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『炎上するバカさせるバカ 負のネット言論史』(小学館新書)。