ガソリン代や光熱費、パンやトイレットペーパーなど、あらゆるものの値上げラッシュが止まらない昨今。家計の節約を考えた際、真っ先に見直す対象となるのが「こづかい」や「被服費」などの余分な出費や、「保険料」など家計に占める割合が大きい固定費だろう。
総務省の家計調査を見ても、その傾向は明らかだ。家計の見直し相談センター代表でファイナンシャルプランナーの藤川太氏が、家計調査の中から働き盛りである「45~49才の勤労者世帯」の家計の変化をまとめ、コロナ前までの20年間(2000~2019年)の変化率と、2019年から2021年までのコロナ禍での変化率を比較してくれた。
まず「こづかい」「被服費」ともに、コロナ前の20年間と2019年以降のコロナ禍で、他の支出と比べても大幅に減少している。所得が上がらない近年、「削れるところは徹底して削る」家計の苦しい懐事情を反映していると言えるだろう。さらに、ここ20年の家計の変化では「こづかい」に次いで「保険料」も大きく減少した。「年金以外の保険料」は2000年の月4万1237円から、2019年には2万651円と約半分(49.9%減)にまで減っている。
生命保険の保険料は、一般的には数十年単位の長い期間をかけて払い続けるため、生涯支払う総額では「マイホームの次に高い買い物」と言われる。毎月決まって支払う固定費のなかでも大きな割合を占めるため、保険を見直すことが家計の節約につながると言われて久しい。
「1世帯当たりの年間保険料は減少傾向にあり、生命保険文化センターの調査を見ても、2000年の年平均61.0万円から2021年には37.1万円となっています。過剰に加入していた保険をリストラする動きはもちろんですが、この間に保険会社間の競争が激しくなったことで保障の単価が下がった影響も大きい。また、若い世代は家計に余裕がないせいか無保険状態の人、保障不足状態の人が多いことも要因の一つとなっています」(藤川氏、以下同)