住まい選びで何を重視するかで、その人の価値観が表れるもの。立地として「住宅街」と「繁華街」どちらを好むかもその一つかもしれない。閑静な住宅街が暮らしやすいと思う人もいる反面、交通の便がよくにぎやかな繁華街に住むことを好む人もいる。とはいえ、繁華街に住むとなると治安の面や騒がしさなどがマイナス面として気になるところ。実際に繁華街で一人暮らしをしている人たちに、その住み心地を聞いた。
渋谷に住むところはないと思っていたけれど…
「もともと閑静な住宅街より、にぎやかなほうが好きなんです。一人暮らしなので、仕事から帰って来た夜なんかでも街が明るいほうがいいなというのが、その理由です」
そう説明してくれたのは、渋谷(渋谷区)在住の30代女性・Aさん(IT企業勤務)。以前は三軒茶屋(世田谷区)に住んでいた。スーパーをはじめ飲食店、雑貨屋、ふらっと立ち寄れるエンタメ施設も豊富で住み心地は抜群だったという。
そんなAさんが「渋谷に住む」ことを意識したのは、マンションの契約更新タイミングで引っ越そうと思った時、都心に行くには常に渋谷に出なくてはならないという現実に気づいてからだった。
「ふと、渋谷に住む場所はないのかな、と思ったんです。それで探してみると案外物件がありました。確かに事務所用物件や、家賃が高い高級物件も多いので、手頃な物件の絶対数は三軒茶屋のほうが多い印象です。でも、根気よく探せば見つかるという感じ。
私は運良く渋谷駅から徒歩15~20分くらいのところに9万円台の1DKを借りることができました。三軒茶屋では同じような条件で9万円弱だったので、数千円高くなりましたが、立地の良さを考えたら渋谷の方が全然いい」(Aさん)
Aさんにとって、「渋谷に住んで良かった」と思うとことはたくさんあったという。
「最寄り駅は神泉駅なのですが、便利なのでいつも渋谷駅を使っています。徒歩20分弱といっても、歩いていて寂しい道ではないので、苦にならない。休日も家から出てフラフラするだけで気分転換になります。よく、日常の買い物はどうするのか訊かれるんですが、ちゃんとスーパーがありますし、ドラッグストアもそこかしこにある。ホームセンターで買うようなものは、ドン・キホーテかニトリ、ハンズ、ロフトでチェック。大きいものはネット通販を利用します」(Aさん)