ヒット商品誕生の裏側にはどのような苦労があったのか──。コロナ禍にデビューを果たし、昨年4月、発売2週間で100万食を突破したとして話題になった、丸亀製麺の『丸亀うどん弁当』。その誕生の裏側を開発担当者に聞いた。
弁当なのにうどんがもっちりつるつる
コロナ禍でテイクアウトの需要が高まっていた2年前、「“うどんを弁当にできないか?”という社長の鶴のひと声で開発が始まりました」と、『丸亀製麺』を運営するトリドールホールディングスで、商品開発を担当した浦郷裕介さんは当時を振り返る。
「できたてのうどん弁当という、この世にない唯一のものを形にしたかったんです。元々あるテイクアウト容器は丸形ですが、弁当といえば四角い形。専用の四角い容器に、打ちたて、ゆでたての麺や天ぷらを注文いただいてから詰めることで、もっちり感ある状態でご提供しています」
さらに、うどんに合う“おかず”にも苦労したという。
「ナポリタンや焼きそばを添えてはどうかと迷走したことも(笑い)。やっぱり“うどんに合うのは天ぷら”だと原点に返りました。のり弁をヒントにちくわ天は小さめの磯辺揚げにして、野菜かき揚げもお弁当仕様にしています」
すべてのうどん弁当にちくわ磯辺天、野菜バラ天、きんぴらごぼう、玉子焼きが入っている。冷たいぶっかけうどんと温かいかけうどんが選べる。定番は390円とお手頃価格。
熱い思いが詰まった弁当は、まもなく1周年を迎え、2000万食を達成する勢いだ。