ロシアによるウクライナ侵攻や、それに伴う経済制裁などで株価や為替の動きが激しくなっている。今年はアメリカのFRB(米連邦準備制度理事会)が複数回の利上げをすることが見込まれるなど、相場の動向には特に注意が必要だ。経済アナリスト馬渕磨理子氏が監修、2022年4~12月の注目イベントとワンポイントアドバイスをまとめた「投資カレンダー」を紹介する。
2022年4月
【注目イベント】
・東証再編(4月4日)
これまでの市場区分(東証1部、2部、ジャスダック、マザーズ)を「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に変更。
・配当・優待権利付き最終売買日(4月26日)
この日に株を保有していると配当や株主優待の権利が得られる。権利確定日(月末)の2営業日前に保有しておく必要があるため、最終売買日が近くなると株価が上昇する可能性がある一方、翌日は株を手放しても権利は確定しているので、下落する可能性もある。何月に権利が確定するかは銘柄ごとに異なる。
【ワンポイントアドバイス】
・「4月高、こいのぼり天井」──新年度になると新規資金が流入し、5月の初旬ごろまでは相場が上昇しやすい。
・東証市場再編は既に株価に織り込まれているが、新興企業の多い「グロース」市場が見直される可能性も。
【注目テーマ】
・米国の利上げに伴う日米金利差の拡大による「円安」メリットを受けるトヨタ自動車など輸出関連。米国の金利上昇で金融株にも注目。
2022年5月
【注目イベント】
・GDP2022年1~3月期発表(5月18日)
内閣府が四半期ごとに発表するGDP(国内総生産)の2022年1~3月期の成長率は、国内景気の動向を推しはかるうえで重要な指標のひとつ。
・3月期決算発表(4月下旬~5月中旬)
3月に通期決算を行なう上場企業が最も多く、その決算発表が5月中旬まで集中する。
【ワンポイントアドバイス】
・「株は5月に売れ(セル・イン・メイ)」──株式相場は6月から下げる傾向があることから、5月に株を売って9月まで相場に戻ってくるなという相場格言がある。
・5月上旬の連休明けは、日本が連休中でも動いている海外の市況を一気に織り込むため値動きが大きくなることもある。
・5月中旬にピークを迎える3月期通期の決算発表では、「前期実績」よりも各企業のこれから始まる「今期の見通し」に焦点が移る。
【注目テーマ】
・経済再開の本格化が予想され「飲食店」「エンターテインメント」関連に注目。岸田政権による国土強靭化関連の政策にも期待。