中国のような強権国家の人民であっても国家に不満がないわけではない。しかし、注目すべき点はその不満の大小ではなく、それを吸収し、経済活動を自由に操作できる強権自体である。輸出拠点だけを選択的に厳しくすることも可能である。
当局にとって経済の安定が最重要課題のはずだが、それ以上に重要なことが他にあるのだろうか。いずれにしても、今後の中国のゼロコロナ対策には細心の注意を払う必要がありそうだ。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(https://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も発信中。