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年金75才繰り下げ受給スタート 妻が年下なら「夫は繰り下げない」選択肢も

75才まで年金の受給開始を繰り下げると、毎月の受給額が184%に

75才まで年金の受給開始を繰り下げると、毎月の受給額が184%に

 4月から大きく変わった年金制度。特に注目しておきたいのが、年金の受給開始時期を遅らせる「繰り下げ」の上限年齢が、70才から75才に延長されたことだ。

 年金の受給開始年齢は、原則65才。66才から1か月単位で遅らせることができ、遅く受け取るほど、年金額が増える仕組みになっている。1か月遅らせるごとに0.7%増額されるため、上限の75才まで繰り下げると、受給額はなんと184%にもなる。「年金博士」ことブレイン社会保険労務士法人の北村庄吾さんが説明する。

「満額の基礎年金(月々12万円弱)に厚生年金もプラスされると想定した場合、賞与を含む平均標準報酬が月43.9万円のモデル世帯の夫婦で40年間保険料を納めた場合の年金額は月々40万5000円ほどになります」

 ただし、受給を繰り下げて月々40万円以上の年金を受け取る頃には、75才を過ぎているということを、忘れてはいけない。繰り下げれば繰り下げるほど、年金を受け取れる期間は当然短くなる。

 現在、日本人の平均寿命は女性が87.71才、男性が81.56才。年々延びてはいるが、これはあくまで平均の話だ。寿命は一人ひとり違うし、重要なのは、受け取ったお金を自由に使える元気が残っているかどうか。アラフィフ専門ファイナンシャルプランナーの深川恵理子さんが言う。

「年金受給を75才まで繰り下げても、万が一、76才で亡くなったら、元も子もない。上限ギリギリまで遅らせれば必ず受取総額が増えるとは限りません。一方、長生きしたとしても、75才で年金を受け取るようになるまでの間はどうやってお金を工面するのか。特に女性は2人に1人は90才を超えて長生きする確率が高いといわれるので、年金の受給は計画的に」

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