好きだった“素人感”がなくなってきた
YouTubeのトレンド変化に伴い、見なくなったという人もいる。メーカーに勤務する30代男性・Bさんは、YouTubeに出てきた“プロ感”に違和感を覚えるようになった。
「芸能人のYouTubeチャンネルが増えたことは、最初は喜ばしくもありました。普段は見られない一面も見られるし、テレビとは違う規制されない企画も面白いと思った。でも、その影響なのか、“中途半端にテレビ的な番組作り”をする人が増えたというか、素人がタレントぶっているのを見ると、冷めてきてしまったというか……。
僕はもともと無名の素人が有名になっていく過程を楽しんでいたし、素人くさい編集も好きでした。カットされていないハプニングや無駄なシーンにコメントでツッコミを入れるなど、個人的にはそういう親近感がわく、身近な素人感が好きでした。たぶん、10年以上前の『ニコニコ動画』が好きだったことも影響しているのかもしれません」(Bさん)
ゲーム実況も好きでよく見ていたというBさんだが、今ではすっかり見なくなった。
「友達の家でゲームプレイを見ているような、疑似体験感覚が好きでした。でも、実況者によっては過激な発言をする人もいて、見ていて不快になることが増えてきた気がします。実況をぼんやり見ているくらいなら、そもそも自分でプレイしたほうがいいと思うに至りました」(Bさん)
VTuberを楽しめなくなった
メーカーに勤める30代男性・Cさんは、黎明期からVTuber目当てでずっとYouTubeを見ていたが、現在はその情熱が薄れてしまったと明かす。
「VTuberの意味合いが変わって来たように思います。キャラクターありきだったのが、最近は顔を隠すためのアバターみたいな感覚。中身がどうしても滲み出てくる。かつては『VTuberはスキャンダルとは無縁』なんて言われていましたが、もはや過去の話で、今はもう中の人の炎上が絶えない。応援する気持ちで投げ銭できなくなりました。キャラクターと中身は別の生き物だと割り切れる人でないと楽しめないと思い、私は撤退しました。今ではYouTubeは作業用BGM専用です」
膨大な動画コンテンツを気軽に楽しめるYouTubeだが、その展開についていけず“YouTube疲れ”からそのまま“YouTube離れ”に移行したという人は、意外と少なくないのかもしれない。