止まらない物価高への対策として、副業・アルバイトをする高齢者もいるだろう。高齢者にとってはどのような仕事が考えられるのだろうか。在宅ワークを支援するクラウドワークス社長室の田中健士郎氏が語る。
「長引くコロナ禍でリモートワークが浸透し、それとともに在宅でできる副業案件が増えました。月に1万~2万円稼げるチャンスが増えたということです」
小遣い稼ぎに年齢は関係ないどころか、「歳を重ねるほど有利になるものもある」と田中氏は続ける。
「“私はただのサラリーマンだったから”と尻込みする方が多いですが、長い間コツコツ働いてきた知識や経験は貴重。一歩会社の外に出れば、その業界のプロなのです」
長年のキャリアによって培われたスキルは、自身が考えるよりも需要があるという。
「例えば自動車業界で営業をしていたなら車の知識が豊富になる。それだけでも貴重ですが、加えて文章が書けるといった『スキルの掛け算』があれば、自動車関連の簡単なパンフレットやホームページの広報文を書くアルバイトといった具合に、ぐっと仕事の幅が広がります」(田中氏)
アルバイトの内容や相場は別掲の表にまとめた。これまで身につけたスキルを生かすものだけでなく、趣味の写真撮影が収入になったり、単価は低めだが空き時間にスマホでアンケートに答えるだけのものなどもある。自分の生活に合ったバイトを見つけることが重要だ。
宮城県在住の村上光子さん(64)は、心理カウンセラーの傍ら、副業のライティング(記事制作)で月に2万~5万円稼いでいるという。
「膝を痛めて立ち仕事が厳しくなり、60歳からネットでできる副業を探しました。まずネットのライティング講座で勉強して、両親の介護経験などを生かした記事を書いています。一つの案件で3000~5000円の報酬のものもあります。長く生きていると何かしらの得意分野があるはずで、それを使って稼げるのが嬉しい」(村上さん)