転職先の会社を判断するときも、将来性があるかどうかを見る時のひとつの要素としてテレワークの導入具合が見られているという。転職希望者は「変化に柔軟に対応できる企業かどうか」をそこで判断しているようなのだ。テレワークを導入することは、企業が働く人から選ばれるためにも必要ということがわかる。
「ただ、将来性があると思って会社を選んで入っても、必ずしもそこで長く勤められるわけではありません。自分が会社の変化についていけなくて辞める人もいます。会社にばかり将来性を求めていてもダメで、それに見合った自分でいなければなりません」
自分のことはさておき、相手にばかり求めてしまうのが人の心というものだが、そこはバランスが必要だ。会社は会社で将来性のある人材を求めるのが当然でもある。
テレワークに慣れておくことは自分の可能性を測るひとつの試金石になるといえるのかもしれない。今後も環境やルールが変わることは大いにあり得る。そのときに適応できるかどうかが問われる。錦戸さんはいう。
「とはいえ、変化に対して大きなストレスを感じる人も多いでしょう。心が元気な時に、ストレスと上手に付き合うための自分なりの方法を準備しておくことをお勧めします。ストレスと上手に付き合いつつ、最も力を発揮できる環境で、ご自分を活躍させてほしいです」
取材・文/岸川貴文(フリーライター)