「以前は平日の昼間にふらついていると不審人物と見られないかと心配でしたが、今はテレワークらしき人が増えてよかったです」——こう言うのは首都圏郊外に住む、ある40代のフリーランサーだ。
住宅街が中心のベッドタウンでも平日の昼間に働き盛りの年代の人が出歩いている様子を見かける今日この頃。それほどテレワークが定着したということなのかもしれない。
NEWSポストセブン「転職研究室」が行った「テレワークへの意識」についてのアンケート結果によると、「現在の職場でテレワークを取り入れている人」の割合は33%(551人中184人)だった(20〜60代の男女が対象。2022年3月実施)。
テレワークをすでに行っている184人のうち、「今後もテレワークを継続したい」との回答は実に8割(146人)を超えた。多くの人はテレワークに手応えを感じているようだ。
ただ、転職となるとテレワークの優先順位はそれほど高くないようで、「転職活動をする場合にテレワークの有無を気にする」人は約3割(551人中174人)でしかない。この点について興味深い指摘をするのは、転職相談を受けるカウンセラーの錦戸かおりさんだ。
「いま転職を考える人の理由として、もちろん販売職とか飲食業などコロナ禍の影響で業種、職種的に稼げなくなっているケースはあるのですが、会社の将来性に不安を覚えたことを理由に転職を検討する人も非常に多いのです。
その象徴がテレワークです。つまり、『テレワークさえ導入できないうちの会社って、大丈夫?』と将来性に不安を感じているのです。自宅にはいるけれどほとんど仕事ができないような状況だったり、システムを変更しようとしなかったりという会社の姿勢に疑問を持っているのです」(錦戸さん、以下同)