■夜の10時過ぎてるのに国税局へ? マルサの皆さん、働き過ぎでしょ
脱税摘発のプロであるマルサの手にかかれば、たかだか70平方メートル程度しかない僕の部屋などひとたまりもありません。玄関から秘蔵のエロ本ライブラリーまで、とにかく隅から隅まで全部調べ上げられて、押収が必要と判断されたモノは手際よくダンボールに詰め込まれていきました。
さらには、
「車を見せてください」
と、駐車場まで連れて行かれ、愛車の車内もくまなくチェック。トランクの下にある予備タイヤまで引っ張り出して、なめるように調べていました。
僕は思わず、
「すごいっすねえ~、こんなとこまで見るんですか」
と、感心していると、
「こういうとこに現金隠す人、よくいますからね」
と、マルサの人はなぜかちょっと得意げ。ちなみに車を開けるときに出したキーホルダーには、車のキーをはじめ、実家とか会社のシャッターとか倉庫とか、とにかくいろんなカギが10個くらいジャラジャラついていたので、
「これはなんのカギ? こっちは?」
と、ひとつひとつ、しつこく聞かれました。正直、日常的に使っているのは3つくらいで、ほかのは自分でもなんのカギだったかはっきり思い出せず、しまいには、
「もういいっすよ、全部持ってっちゃってください!」
と、泣きを入れてしまいました。その後も、引き続きキビシイ質問が次々と浴びせられます。
「ほかに何か隠してるモノはないの?」
「口座はこれだけ? まだあるんじゃないの?」
「正直に言ったほうがいいよ」
こんな状況で今さら何を隠せるっていうんでしょうか(泣)。僕はありとあらゆることをすっかり白状させられていました。