4月18日、中国の1-3月期経済成長率が発表された。結果は4.8%で、2021年10-12月期と比べ0.8ポイント高く、市場予想と比べても0.4ポイント高かった。形の上ではポジティブサプライズと言えるだろう。
3月の経済統計についてみると、鉱工業生産は5.0%増で1、2月合計(毎年、1月分はその年によって月を跨ぐ春節の影響を考慮して発表されず、2月に2月分と合計した数字を発表、小売売上高も同様)よりも2.5ポイント低く、固定資産統計(累計)は9.3%増で2月(累計)と比べ2.9ポイント低い。しかし、鈍化したとはいえ、鉱工業生産は昨年12月よりも0.7ポイント高く、固定資産投資についても昨年12月(累計)よりも4.4ポイント高い水準だ。
一方、厳しかったのは、全国不動産開発投資であり、3月(累計)は0.7%増と2月(累計)よりも3ポイント低い。新型コロナ化でマイナスに沈んだ2020年5月以来の低水準である。不動産よりもさらに厳しさが目立ったのは小売売上高である。1、2月合計と比べ10.2ポイントも低い3.5%減となった。
小売売上高についてブレークダウンしてみると、商品小売は1、2月合計の6.5%増から3月は2.1%減、レストラン収入は8.9%増から16.4%減へと急落している。
商品小売についてさらに細かく調べてみると、飲料は12.6%増、食用油、食品は12.5%増、医薬品は11.9%増、石油、石油製品は10.5%増と2桁増を記録した一方、金銀真珠宝石は17.9%減、アパレル・靴帽子・ニット製品は12.7%減、家具は8.8%減、自動車は7.5%減となった。
「ゼロコロナ政策」で外出する人が少ないから飲食は厳しく、同じ理由で、百貨店、専門店の高額商品は売れない。内覧する人が少ないから不動産は売れず、外出しないならば車など必要ない。明らかにゼロコロナ政策が影響していることが見て取れる。