しばらくすると、入会審査を通過したという知らせが来ました。僕はついに、六本木ヒルズクラブへの入会を認められたのです。会員になって初めてヒルズクラブに行った夜は、今でも忘れられません。
六本木ヒルズクラブは、六本木ヒルズ大展望台の1フロア下の森タワー51階にあり、会員とその同行者だけが入ることを許される特別な空間。
眼下に広がる東京の絶景を肴に、お酒を飲んだり食事ができるラウンジや高級レストランが軒を連ねます。もちろん、その味や洗練されたサービスは、VIPが名を連ねる目の肥えた会員を満足させ続ける極上のクオリティです。
初めて足を踏み入れたヒルズクラブから見下ろす東京の街は、まさに宝石箱をひっくり返したようにキラキラと瞬いていました。
「スゲエ! スゲーよ!」
その日は普段のお礼の意味を込めて、いつも世話になってるFX会社の担当さんを連れて行ったんですが、あんまり僕が窓にべったり張り付いて離れないので、
「磯貝さんそれヤバイですよ。座りましょうよ」
と、たしなめられてしまったくらいです。
ついに僕は、「ヒルズ族」の仲間入りを果たしました。これからは毎日、ここに来られる。そう思うと、眼下に広がる東京の夜景は、いっそう輝きを増して見えました。
(第5回に続く)
⇒【第5回】六本木のキャバクラはとにかく高いぞ!? 1週間で飽きた | 突然マルサがやってきた!
【PROFILE】磯貝清明(いそがい・きよあき):金属スクラップ業「磯貝商店」社長。1977年埼玉県生まれ。2004年にFXをスタート。2007年には10億円まで資産を殖やしたが、サブプライム・ショック以降、大損失を被る。2009年には東京国税局に所得税法違反(脱税)容疑で告発される。現在は、税金完納を目指して奮闘中。