長引くコロナ禍で家計の厳しさが続く中、さまざまな副業の市場が拡大している。実際に副業をやっている人たちは、どのような副業を手掛けて、どれぐらいの利益を出しているのだろうか。副業に詳しいファイナンシャルプランナーの飯田道子さんが、自身の体験を話す。
「アンケートモニターは、特にやってよかったと感じています。ファミリーレストランに行き、企業から指定されたメニューを注文して、味や盛りつけ、接客を評価する“覆面調査”で、毎月8000円の食事券がもらえました。ただし、都内では人気が高く、なかなか求人が出ないのがネック。ねらうなら地方の店舗でしょう。
住宅の現地販売会でアンケートをとる仕事では、来場者にアンケートを回答してもらえると1枚につき報酬がもらえる。さらに、そこから住宅の購入につながるとインセンティブが受けられるので、土日だけでも月10万円以上の収入になったこともあります」
ほかにも、試験会場の監督や受付など、土日がメインの副業や、電柱調査、テレビ番組や映画のエキストラといった、自分の都合のいい時間を選んで自由に働ける副業も少なくない。
一方、自粛生活が続く中で増えたのは、余った時間を利用したウーバーイーツの配達員や、オンラインでできる在宅での副業など。
最近では特に、「Buyee」などの海外向けのEC(電子商取引)サイトを経由した“個人輸出”の副業に乗り出す人が増えている。
輸出と聞くとめんどうに思えるが、現在はこうしたサイトを使えば匿名配送ができるようになり、手続きも国内での取引と同じように手軽にできる。消費生活アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんが解説する。
「現在、急激に円安が進んでおり、海外の人にとっては、日本のものは“お買い得”。実際に経済産業省のデータでは、世界の越境EC市場規模は2014年の2330億円から2020年には9940億円になるなど、6年間で4倍以上に。今後も20%超のペースで拡大する見通しです」