崎陽軒(横浜市)のシウマイ弁当とそっくりな駅弁が2021年11月、関西で誕生した。その名も「関西シウマイ弁当」。創業130年余のまねき食品(姫路市)が、崎陽軒とのコラボで開発した新商品だ。
「駅弁メーカー同士で駅弁をコラボするのは前例がなく、弊社のオファーを受けていただいた時は社内で“本当に!?”とどよめきが起こりました。コロナ禍で大打撃を受けた駅弁業界を盛り上げたいとの思いが一致し、協力をいただきながら1年半かけて関西版が完成しました」(まねき食品営業第1部の岩本健司部長)
容器のサイズや経木を使う点は同じだが、掛け紙も中身も味付けも異なっている。一つひとつに関西の出汁文化や調理法を融合させており、崎陽軒側からOKが出るまで試作品を持って姫路と横浜を新幹線で幾度も往復したという。シウマイだけは、開発した関西版オリジナルレシピで崎陽軒が製造を担当している。
「発売時の反響は想像以上のすごさでした。売店前に長い行列ができ、県外から“姫路城は行かなくてええねん! 姫路にはこれ買いに来てん!”という方もいらっしゃいました」(同)
話題の東西のシウマイ弁当だが、崎陽軒のシウマイ弁当を買えるのは神奈川、東京、千葉、埼玉、静岡の1都4県。まねき食品の関西シウマイ弁当は現在、姫路駅など兵庫県内と阪神百貨店梅田本店(大阪市)だけでしか常時、購入できない。出張や旅行の際、行きと帰りに東西のシウマイ弁当を食べ比べる楽しみ方も、このコラボが生み出した。
※週刊ポスト2022年5月6・13日号