新型コロナウイルス感染拡大で大打撃を受けた駅弁業界では、取り寄せに対応できる駅弁の開発に注力する会社が相次ぎ、通販可能な駅弁も増加している。
その一つに、明治43(1910)年創業のアベ鳥取堂が駅売り弁当「とっとりの居酒屋」をベースに開発し、2020年11月に発売した冷凍駅弁がある。阿部正昭社長が経緯と開発秘話を明かす。
「コロナで観光業全体が落ち込み、何とかしなければと地元の造り酒屋と組んで鳥取の味覚や食文化を発信する通販用駅弁を考案しました。食材の美味しさや食感を保つプロトン冷凍の設備を導入し、地元で獲れたハタハタの寿司など冷凍に向いた新メニューも開発。“家呑み”駅弁で旅気分も楽しんでいただければ嬉しいです」
家にいながら旅行気分が味わえる、全国各地の「お取り寄せ駅弁」を紹介しよう。
【北海道・長万部駅】
『かなやのかにめし』918円 ※5個セット価格4590円
昭和25(1950)年の発売以来70年以上愛されている名物駅弁の冷凍版。ほぐしてじっくり炒ったカニ身は香ばしく、ふわっとした食感も楽しい。
【石川県・金沢駅】
『炙りのどぐろ棒寿し』高野商店 1600円
ノドグロを炙って押し寿司にした人気の駅弁が冷凍で届く。明治創業の老舗が守る伝統の甘くさっぱりした酢飯と、脂がのったノドグロの相性は抜群。