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コロナ禍で様変わりする看取りと葬儀 今まで以上に“お別れの時間”を大切に

“亡くなってからの時間”をどう過ごすかも重要に(イメージ)

“亡くなってからの時間”をどう過ごすかも重要に(イメージ)

 コロナ禍で葬儀のあり方が様変わりしている。セレモニーホールで親戚や友人を呼んで盛大に執り行なう葬儀に代わり、近親者だけの家族葬や通夜・告別式を行なわない直葬といった“小規模な葬儀”が一般化している。

 終活ソーシャルワーカーの吉川美津子氏は、「故人との別れを後悔しないものにするためには、葬儀の前の“お別れの時間”を今まで以上に大切にする必要がある」という。その理由は、看取りの状況がコロナ禍で変化してきているからだ。

「コロナ前であれば、病院も介護施設も日頃から自由に面会できるので、親の体調の些細な変化に気づきやすかった。また、看取りの段階になると、家族や親戚、友達がしょっちゅう訪問し『がんばってね』と声をかけてお見送りをすることができたんです」

 そうした常識はこの2年で様変わりした。コロナ禍を境に、施設に入所する母親との面会をオンラインに切り替えた60代男性はこう話す。

「画面越しに見る母は時折、咳き込んだりはするものの、食事も自分の口から食べていたし、元気そうに見えました。施設の職員からは1年以上前から、『緩やかに体調が悪化しています。心の準備をしておいてください』と言われていたのですが、まだまだ長生きするだろうと思っていた。

 そろそろ看取りのカンファレンス(会議)を、という連絡があった時は、『え、もうそんな段階なの? 信じられない』と半信半疑でした。カンファレンスが進み、2年ぶりに母と直接対面した時に、口をぱくぱくさせてる姿を見て『お腹が空いて何か食べたいのでは』と一瞬思いました。喘ぐように呼吸をしていたため、口が動いているのだと頭では分かっていたのに、現実を受け入れられなかったんです」

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