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コロナ禍で様変わりする看取りと葬儀 今まで以上に“お別れの時間”を大切に

現実を受け止められない

 前出・吉川氏が言う。

「コロナ前であれば、体調が緩やかに落ちていくプロセスを目の当たりにする機会があるため、『そろそろかな』と家族も心の準備ができました。しかし、オンライン通話などで画面越しに会話をしていると、『まだ元気そうだな』と思ってしまい、いざ病院や施設から『看取りの準備をしてください』と言われた際に、なかなか現実を受け止められない方が増えています」

 生前に十分にお別れの時間を持つのが難しくなってきたからこそ、“亡くなってからの時間”をどう過ごすかが重要になる。

「直葬や家族葬を選ぶこと自体に問題はないですが、流れが簡略化されたことで火葬場までの間に顔を見る時間もなかったとなると心残りになってしまう懸念があります。

 例えば、ご遺体が安置されているところで一晩は一緒に過ごすなど、なるべく家族の死と向き合う時間を持つようにしましょう」(吉川氏)

 法律により、少なくとも亡くなってから24時間は火葬してはならないと定められている。ごく親しい人間で、その時間をどう使うかが重要になる。

※週刊ポスト2022年5月6・13日号

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