40年ぶりに仕事を始め毎日が輝き出した
それまでは働いてもいなかったという。
「自分もいつ死ぬかわからないので、もらえるものは早くもらおうと、年金は60才から、月額約6万円受給していました。もちろん足りないので、40年ぶりに仕事を始めました」
近所の知り合いに仕事はないかと相談したところ、介護施設を紹介してくれた。
「“明日から行ける?”と聞かれて、“いますぐだって行くわ”と即答しました(笑い)。だって66才の専業主婦を雇ってくれる職場なんて、ほかには絶対ないと思ったんです。私は運がよかったと思います」
実際、相談した翌日から働き始めたという。30年間同じ場所に住み、PTAや町内会活動なども経験。そのときの人とのつながりが生んだ縁だった。
「介護経験のない私の仕事は雑用係。入浴介助をしたり、おむつを替えたりする人が働きやすいようにサポートするんです。最初1050円だった時給もいまでは1150円になりました」
週4日、1日4時間ほど働けば、年金と合わせて約13万円。これで生活できるという。
「施設長から“あと2時間働けませんか”と言われましたが、そこまでの体力はありません。老いを意識して無理せず、長く細く働きたいと思っています」