物価は上がっても賃金は上がらない今の日本経済。年金の受給額も減少する一方で、このままでは老後の生活が不安だという人も多いだろう。だからこそ、年金だけを頼るのではなく、高齢になってもなお働くことが重要になってくる。年金生活のスタートに伴い、家計が変化する実例を見てみよう。
兵庫県在住のパート勤務の女性・こんすけさん(仮名・67才)は、夫の年金約15万円(65才から受給)と自身の年金約7万9000円(60才から受給)に加え、近所の病院で掃除のパートをし、約2万円を稼いで生活している。
「年金生活に入ったら、収入が減ることを想定していたので、いきなり“困った!”ということはありませんでした。ただ、現役時代は毎月のお給料で足が出た分をボーナスで補てんしていたので、それができなくなったのは大変でした。それと、いまは夫の国民健康保険で私の分も払ってもらっていますが、夫が逝ったら自分で払わないとならないし、年金の受給額も減るしで、いまから不安はあります。
でも、心配しても仕方がない(笑い)。自分だけで悩まずに、いざというときは公的機関に相談して助けてもらおうと思っています」(こんすけさん・以下同)
公的サービスについては、老人大学などに通い、日頃から情報を集めているという。
また、家計の不足分は基本、“節約”で乗り切るつもりだ。特にいまは時間に余裕があるので、野菜を自分で育てているのだとか。
「家庭菜園は、結構な助けになっています。自炊を主にすることで、食費はずいぶん下がりましたね」