住民の4割が信者
次に訪れたのは、創価学会の総本部がある東京・信濃町。5月3日は世間的には憲法記念日だが、「創価学会の日」にあたる。商業ビルの外壁には商店街の振興会が出したお祝いの看板が掲げられ、人通りも多く活気に満ち溢れていた。
信濃町には、「創価文化センター」「聖教新聞社」など関連施設が密集しているが、基本的には学会員しか入ることができない。「広宣流布大誓堂」では、「祝5・3」と書かれたパネルの前に記念撮影の行列ができていたが、遠くから指をくわえて眺めることしかできなかった。
通行人の様子を見ていると、あることに気が付く。半数以上が、祖父母、両親、子供と3世代揃い踏みであり、1人で歩いている姿はほとんど見受けられなかった。親が学会員なら子も学会員。一家揃って本部を訪れているのだ。
そんな私でも楽しめるのが、「金剛堂」という仏具店だ。ここには、創価学会にまつわるグッズが大量に売られており、誰でも購入できる。コンビニほどの店内に80人ほどがすし詰めとなり、異様な盛り上がりを見せるなか、とくに人気なのは、創価大学駅伝部のユニフォームを着たキューピー人形のストラップ。次いで、創価カラーのハチマキを巻き、数珠を手に下げているクマのぬいぐるみだった。
信濃町と対照的だったのは、その数日前に訪れた奈良県天理市だ。天理駅に到着し、まず目を引いたのは団体客専用の改札口があることだ。こちらは普段は閉鎖されているが、地方から「おぢばがえり」に訪れた天理教信者のために開かれることがある。「教祖誕生祭」や「月次祭」など記念行事の際は街が天理教一色となる。地元のタクシー運転手がそのときの様子を教えてくれた。
「毎年7~8月の行事(こどもおぢばがえり)のときは、全国から30万人の天理教信者がこの街に集まるんですわ。天理市の人口が約7万人なんやから、どんな状態になるかわかるやろ」