ロシアのウクライナ侵攻の影響もあって、原材料費や物流費が高騰し、多くの外食チェーンが値上げせざるを得ない状況にある昨今。1984年の開業以来、“最低価格・税別100円”を貫いていた回転寿司チェーンの「スシロー」も値上げを決断した。
スシローを運営するフード&ライフカンパニーズは5月9日、スシローの一部メニューを10月1日から10~30円値上げすると発表。“郊外型”に区分される店舗について、現在税込み110円の『黄皿』の商品が税込み120円に、税込み165円の『赤皿』の商品が税込み180円に、税込み330円『黒皿』の商品が税込み360円となる。具体的な店舗の区分や。価格改定の詳細は、9月初旬に発表される予定だ。
スシローの最低価格が税別100円ではなくなることについて、ネット上では〈もはや回転寿司も気軽に食べられるものではなくなりつつある〉と残念がる声があがっているが、一方で、〈よくここまで値段を抑えてくれたと企業努力に頭が下がる〉、〈ある程度の値上げは仕方が無い〉と、“そもそもこれまでが安すぎた”という意見も少なくない。
スシローだけでなく、大手回転寿司チェーンの「はま寿司」「くら寿司」「かっぱ寿司」の最低価格はそれぞれ税込110円だ。外食チェーンに詳しいライターの小浦大生氏は、「店舗の立地や形態によって最低価格が変わるパターンもある」としつつ、「大手回転寿司チェーンではこれまで“最低価格・税別100円”が基本で、持ち帰り専門店の寿司や、コンビニで販売されている寿司と比べても安い」と指摘する。
東京都や神奈川県を中心に展開する持ち帰り専門の寿司チェーン「ちよだ鮨」の場合、1人前の盛り合わせメニュー『つつじ』は、にぎり7貫と玉子焼き1個で税込647円、玉子焼きを1貫と換算すれば、1貫あたり80.9円だ。にぎり9貫と玉子焼き1個と海苔巻4個の『まつば』であれば税込971円。海苔巻2個をにぎり1貫と換算すれば、こちらも1貫あたり約80.9円となる。
また、ファミリーマートで販売されている『にぎり寿司盛り合わせ(10貫)』は税込628円。1貫あたりの価格は62.8円となる。