大手回転寿司チェーンでは、寿司ネタによっては1貫で110円のケースもあるが、定番メニューは「2貫で110円」が基本となっている。1貫あたりは55円だ。たしかに、持ち帰り専門店、コンビニ、大手回転寿司チェーンの1貫あたりの価格を比較すると、大手回転寿司チェーンがもっとも安い。
「“外食”である回転寿司店は、持ち帰り専門店に比べて人件費もお店の家賃も多くかかるはず。にもかかわらず、企業努力によって持ち帰り専門店やコンビニより安い価格を実現していた。
もちろん、持ち帰り専門、コンビニ、回転寿司チェーンでは、それぞれネタの質も異なりますし、回転寿司チェーンの場合は原価が安いネタもそうではないネタも110円で提供しているので、単価だけではわからない部分も多いのは事実です。
今回のスシローの値上げが業績にどう影響するかは注目ですし、スシロー以外の回転寿司チェーンが今後値上げに踏み切っていくかどうかも気になるところ。また、多くの商品を同価格にするのではなく、原価が安い商品は120円にして、原価が高い商品は値上げするなどの形にシフトしていく可能性もあると思います」(小浦氏)
値上げラッシュに対応していかなくてはならない外食産業。スシローの決断を機に回転寿司チェーンの“低価格路線”が見直され、最低価格が「1皿120円」時代に突入するのか、注目したい。