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「渡航費用を今すぐ振り込んで!」筋が通っていないが巧妙にスキを突く詐欺の手口

詐欺の手口は年々巧妙化している(イメージ)

詐欺の手口は年々巧妙化している(イメージ)

 夫婦で苦難を乗り越えて、やっと迎えた悠々自適な老後生活。だが、最後の最後に、老後資産の扱いで取り返しのつかない大失敗をする人は少なくない。老後資金目当ての詐欺も増えているので、注意が必要だ。

 立正大学教授で社会心理学者の西田公昭さんが語る。

「たとえ詐欺に遭っても“身内に知られたら恥ずかしい”と、墓場まで持って行こうとする人は少なくありません。すると発覚せず、ダマす方にとっては好都合なのです」

「そんなバカな話に引っ掛かるわけがない」と豪語している人ほど、いざ本当にダマされたときに恥をかくまいと、泣き寝入りしてしまうのだ。

 事実、詐欺の被害はこのコロナ禍に乗じて激増している。警察庁の発表によると、昨年の特殊詐欺被害件数は4年ぶりの増加。被害総額はなんと278億円にものぼる。

 在宅時間が増え、非接触でのコミュニケーションが当たり前になったことで、オンラインやSNSを通じた手口が増えているのだ。東京都の会社員・中村さわ子さん(53才・仮名)が言う。

「SNS上で交流していた男性に“会いたい”と言われたのですが、彼はアメリカ在住……渡航費用を立て替えてほしいと言われたので振り込んだのですが、連絡が取れなくなってから、ダマされたのだと気づきました」

 こうしたロマンス詐欺は、増加の傾向にあるという。SNSやマッチングアプリで“友達になりましょう”“あなたの写真にひと目ぼれしました”などと接触し、時には“ふたりの将来のために”などと、マンションを購入させられることもある。

「ほかにも、災害が増えているのに乗じたリフォーム詐欺や、健康食品の押し売りなど、さまざまな不安心理につけ込んだ手段が横行しています」(西田さん・以下同)

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