西田さんは、詐欺師はこちらを巧妙に慌てさせ、そのスキをついてくると話す。
「冷静に話を聞くと、詐欺師の話はどこか筋が通っていません。ロマンス詐欺もオレオレ詐欺も、“いますぐATMに行って振り込んで!”などと言う時点でおかしい。焦らせて、判断を狂わせようとしているのです。
いま流行っている『還付金詐欺』も、確定申告もしていない高齢者に還付金があるわけがない。本物だとしても、受け取る側にATMの操作は一切必要ないはずです。“じゃあ、振り込んでおいてください”と言って電話を切ることです」
コロナ禍で自宅の固定電話に出る機会が増えたことも、詐欺の温床になっている。西田さんは、スマホがあるなら、固定電話はいっそ解約すべきだと話す。
「詐欺グループは、SNSの“いまから出掛けます”といった書き込みで在宅時間を把握したり、通販サイトに入力したクレジットカード番号をハッキングしたり、あの手この手で個人情報を集めます。“ダマされないぞ!”と気合を入れているだけでは意味がない。知識を持ち、冷静な対応ができるよう日頃から“武装”しておいてほしい」
詐欺にひっかからないための「さしすせそ」
以下、西田さんが提唱する詐欺に引っ掛からないための「さしすせそ」を肝に銘じたい。
・「さ」っと頭を「警戒モード」に切り替える。
→慌てていて余裕がないと、相手につけ込まれやすい。
・「し」っかりと調べる。
→「ダマされないぞ!」と気合を入れているだけではダメ。
・「す」ぱっと相手の怪しいところに気づく。
→詐欺の手口や正しい給付金についてなど、知識武装しておけば、相手の話の矛盾に気づける。
・「せ」いいっぱいがまんする。
→脅されても、甘い言葉を掛けられてもなびかない。ラクなことばかり考えないように、日頃から意識を。
・「そ」く、相談する。
→少しでも怪しいと思ったら、身内でも専門家でもいいので、すぐに相談を。
※女性セブン2022年6月2日号