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企業別「CM好感度」ランキングを読み解く KDDIが絶好調、Yogiboの躍進も

KDDI auの『三太郎シリーズ:進め!そっちだ!』篇。2015年の初登場以来、人気が高い

KDDI auの『三太郎シリーズ:進め!そっちだ!』篇。2015年の初登場以来、人気が高い

 長びくパンデミック下でも人々の心を捉え、企業イメージをアップさせた“ヒットCM”が秘めた力とは? 最近の人気CMランキングから分析してみよう。

 2020年にコロナ禍が始まったとき、「ACジャパンのCM回数」は急増した。企業がCMを自粛する際に穴埋めで放送されることが多いACジャパンのCMといえば、2011年の東日本大震災直後のテレビで頻繁に流れ、日本中が自粛ムードに包まれたのを思い出す人も多いだろう。CM総合研究所代表の関根心太郎さんが説明する。

「新聞のラテ欄を見て予定視聴できるテレビ番組と違って、CMは15秒や30秒の多様なコンテンツが無作為に何度も流れてくる。ところが震災直後は、『ぽぽぽぽ~ん』の音で始まるACジャパンのCMしか流れず、生活の潤いが失われた感がありました。

 その点、このコロナ禍では、重い雰囲気に包まれた世相にあっても、人々の心に寄り添い、お茶の間に刺さる好感度の高いCMが登場し、世間のムードや空気を明るくできた。それは東日本大震災での経験値を生かした賜物だと思います。CMには商品を買う気にさせると同時に、人々に楽しんでもらい、世の中を明るくする力と役割があるのです」

コロナ禍の始まりとACジャパンのCM放送回数

コロナ禍の始まりとACジャパンのCM放送回数

 1989(平成元)年1月以来、同社が毎月行っているCM好感度の調べ方はシンプルだ。

「あなたの好きなCMの【1】企業名、【2】ブランド名、【3】作品の情景、【4】感想を空欄の用紙に、1人当たり1~5作品を思い出して記述することで、人々がCMをどのように浴び、受容したかが浮かび上がります。2004年4月以降は、月2回・1500人ずつ別々に調査を実施。その年24回調査の合計値が年間ランキングになります」(関根さん・以下同)

 東京キー局だけで1か月4000種類ものCMがオンエアされる中、どのCMが人々の関心を集めたかの結果が表れる。別掲表は、「CM好感度年間ランキング」を企業別に集計した、CM巧者・上位10社の顔ぶれだ。

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