NTTドコモは2025年度までに、販売店「ドコモショップ」の約3割を閉鎖する方針であることが明らかになった。閉鎖を予定する店舗は、全国のドコモショップ約2300店のうち約700店にあたる。スマートフォンの契約手続きはオンラインでもできるようになり、オンライン専用プラン「ahamo」の利用者も増えていることも、今回の店舗削減の背景にあるだろう。
たしかにオンライン手続きは、スマホを使いこなせる人には、店舗に行く必要がなく便利なサービスだが、スマホやネットの操作が苦手な高齢者にはハードルも高く、実店舗で店員に説明を求めるケースも少なくない。これまで「スマホでわからないことがあったらドコモショップに行っていた」というシニア世代が、残った7割の店舗に押し寄せる可能性もあるだろう。そうしたなかで、高齢の親を持つ子供たちからも悲鳴があがっている。
“安心”のためのドコモだったのに
メーカーに勤務する40代女性・Aさんは、「格安スマホがいっぱいある中で、親子ともども高い月額料金を払ってドコモと契約しているのは、“安心”を買っていたからなのに……」と動揺している。近所のドコモショップが閉店にならないか不安だという。
「スマホデビューしたばかりで、ネットにも不慣れな親でも、ドコモショップに飛び込めば何かあったときに対応してもらえるという安心感がありました。もし、近所の店舗が閉鎖されたら、私にいちいち使い方とかを聞いてくるのは目に見えている。親はこちらが仕事中だろうがなんだろうが電話をかけてくるので、たちが悪いんですよね……。スマホを持たせたこと自体が失敗だったかなとも思ってしまいます」(Aさん)