2009年12月に発行された元FXトレーダー・磯貝清明氏の著書『突然マルサがやって来た!~FXで10億円稼いだ元ヒルズ族社長の絶頂と貧民転落~』(小学館)を、『マネーポストWEB』にて全文公開(全10回)。第9回は、第5章「FXの借りはFXで返す! 税金1億6000万円完納への途」の前半です。
前回の記事はこちら⇒【第8回】年利はなんと14.6%! 毎日5万円超の延滞税が積み上がっていく | 突然マルサがやってきた!
(ここに書かれている内容は、断り書きのない限りすべて同書発行時点のものである点をご了承ください。また、本文中に登場する人物名は、著者・磯貝氏を除いて仮名です)
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第5章 FXの借りはFXで返す! 税金1億6000万円完納への途(前半)
■自己破産は許されないが、コツコツがんばれば報われる!?
僕は億万長者から、1億万円の納税に追われる身へと転落しました。
よく、「自己破産すれば?」と、アドバイスしてくれる人がいます。実を言うと僕も、最悪の場合、その選択肢しかないか……、と頭をよぎったこともあります。
ところが、税金に詳しい人にちょっとだけ相談したところ、
「あ、それ無理だよ」
と、あっさり否定されました。
僕の負債は、「借りているお金」という意味では借金です。それがただの借金であれば、自己破産してリセットすれば、払う必要がなくなります。
しかし、税金だとそうはいきません。自己破産でチャラにできるのは借入金だけで、税金や罰金などお上に献上するお金は免責されないのです。
一瞬、僕の頭をよぎった「楽して負債をなくそう」なんて目論見は無惨にも崩れ去ったのです。まあ、納税は国民の義務ですから、よく考えれば当たり前の話です。
税金を払わなかった僕が厳しい思いをするのも当然です。でも税金は、厳しいことばかり、というわけでもありません。借金と比べて税金の負債のほうが、よいことだってあるんです。
借金に利息があるように、滞納している税金にも延滞税という利息が課されるというのは前の章でお伝えしましたが、借金と税金の間にはこの利息の扱いに大きな違いがあります。