いわゆる店頭取引の業者を利用して取引していると、総合課税といってほかの収入と合算して収入額に応じた税金が課せられます。
この場合、儲けや収入が少ない人ならおトクですが、僕みたいに利益の額が大きくなると50%もの税(※編注)がかかってしまうのです。
【※2016年現在、FXに関する税制は変更されています。店頭取引においても取引所取引と同様、申告課税が適用され、税率は一律20%となっています。また、損失の繰り越しや、取引所先物取引等との損益通算も可能となっています】
一方、「くりっく365」という取引所に参加している業者を利用すれば、どんなに儲かっても税金は一律20%で済みます。
しかも3年間の損失繰越控除ができるので、損をした年と儲かった年があれば、一定の条件下でプラスマイナスして税額を減らすことができるのです。ちなみに、2009年にスタートした「大証FX」でも、同じ税制優遇が受けられます。
ですから、FXで億単位で稼げるようになったときは、節税という観点から判断すれば「くりっく365」に参加している業者を利用すべきだったのです。
にもかかわらず僕は、為替チャートなど取引の参考になるツールが充実していたり、担当者が親切だったこともあって、店頭取引の業者を利用していました。
繰り返しになりますが、結局は払う気もなければ節税の勉強もしなかった自分が悪いのだから、くさっていても始まりません。それなりの収入を得ている国民が税金を払うのは義務です。
それを怠った僕の捜査をするために、さらに税金が使われました。第1章でお伝えしたように、ガサ入れ当日だけでも250人もの捜査員が動員されたわけですから、その人件費だけ考えても半端なものではありません。
くさってる暇があったら働いて納税しなければ世間に顔向けできません。僕はまだ若いし、これからの長い人生を前向きに生きていくには、何がなんでもこの納税を果たさなければ始まらないのです。
■もう一度FXでリベンジ! 種銭は差し押さえを免れた“ヒミツのお金”
そんな大風呂敷を広げてみたものの、普通に働いて1億6000万円もの税金を納めるのは、やっぱりどう考えても不可能です。そもそもこんなものすごい額の税金を課されたのは、FXで大儲けしたから。
ならば、もう一度FXでリベンジするしかありません。FXで作った借りは、FXで返す。僕に課された莫大な額の税金を完納する途は、事実上、これしかないのです。