家計

自分へのご褒美のプチ贅沢はどちら?「賢い消費」と「無駄な消費」を分けるもの

「賢い消費」と「無駄な消費」の違いは?(イメージ。Getty Images)

「賢い消費」と「無駄な消費」の違いは?(イメージ。Getty Images)

 世間を騒がせた、山口県阿武町の臨時給付金4630万円振り込みミス事件。もし自分の手元に、あれほどの大金が入ってきたらどうしたか、と考えた人も多いのではないだろうか。宝くじが当たる。遠い親戚の遺産が転がり込む。持っていた株やビットコインが高騰する。万馬券を的中させる……世の中には、ある日突然、大金を手にする人が、少なからずいる。

 ただし大金を手に入れても、価値のある使い方をしなければ、それはムダな「死に金」となってしまう。正しい使い方で「生き金」にしなくては幸せにはなれない。

 そもそも「生き金」とは「使っただけの価値が生じる金銭」を意味する。一方「死に金」とは「使っても効果がなく、ムダになるお金」を指す。

 ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは「賢い消費=生き金」「ムダな消費=死に金」だと説く。

「いまの時代は特に、ムダな消費が増えています。自分が買おうとしているものが“want(欲望)”なのか、“need(必要)”なのかを見極める必要があります。車でも洋服でもバッグでも、すでにいま、持っているなら、それは必要なのではなく、ただ欲しい(want)だけ。現代の市場は、テレビもSNSも、すべて個人のwantに訴えかけているのです」

 欲望からの消費は、高額であればあるほど、脳が瞬間的に大量のアドレナリンを分泌する。アドレナリンによる快感は一時的なもので、依存性があるため、次々と高額なものが欲しくなり、買い物依存に陥る可能性すらある。一度でも衝動買いすると、物欲が際限なくふくらむ恐れもあるのだ。

 だが、金額が安ければ「死に金」にならないというわけでもない。明治大学大学院元教授で行動経済学者の友野典男さんが言う。

「例えば、スーパーなどでよくある“野菜が1つ100円、2つで150円”といった売り方。金額だけを考えればお得ですが、だからといって、必要以上に買って余らせて、腐らせてしまったら、わずか50円であろうと、それは“死に金”です」

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