結婚生活に不可欠なお金。その管理には3つの財布を活用することが重要だという。つまり、“夫の財布”には夫が自分で使うお金、“妻の財布”には妻が自分で使うお金を入れておき、お互いに、自分で稼いだお金や自分の貯蓄は自由に使えるようにする。そのうえで、夫婦それぞれの財布とは別に「第3の財布」をつくるのが理想的だという。
住居費や食費、光熱費など、夫婦ふたりで使うお金を出し合って、「第3の財布」に入れておくことで「個人のお金」は守られ「家のお金」は収支の流れを把握しやすくなる。プレ定年専門ファイナンシャルプランナーの三原由紀さんは、こう説明する。
「“第3の財布”をつくることで、夫婦それぞれがいくらずつお金を出せばいいのかも明確になります。さまざまな支払いに使う財布を1つにまとめられるので、家計全体の収支も明確になり、管理がしやすくなります」
「月1予算会議」と「ネット銀行」でうまくいく
「第3の財布」をつくるにあたり、1つ決めておかなければならないことがある。「夫婦それぞれがどれくらいお金を出すか」の分担だ。
決めていなかった場合、臨時の出費や貯蓄などに「どうせ、相手が貯めているだろう」と自分の財布からお金を出さず、いざというときにまったくお金がなかった、という事態もありえる。ファイナンシャルプランナーの黒須かおりさんが言う。
「例えば、“それぞれ、月収25万円のうち20万円ずつ出し合い、残り5万円は小遣い”“自分の収入のうち2割は貯蓄分として毎月出す”と、ルールを決めておきましょう。いざというときの分担を決めるのではなく、いざというときに慌てないように、事前に準備することが重要です」(黒須さん)
夫婦の収入額の差が大きいなら、比率を決めるという手もある。例えば夫が月収40万円、妻が月収20万円なら、月収と同じ2:1の割合でお金を出し合うのだ。
「年間の家計の必要額を算出し、12か月で割ったお金を半分ずつ、または収入の比率で分担するのがいいでしょう。ボーナスがある場合はそれも含めた年収ベースで計算すれば、金額が違っても、不公平感は少なくなるはずです」(三原さん・以下同)