【実例2】階数、生活時間をずらして快適に(54才・パート女性)
家事も育児もノータッチのくせに外面だけいい夫(56才)。旅行に行っても荷物は持たず、子供の手を引かず、ひとりで観光を楽しんでは、両手に子供の手を握り、腹と背中にリュックをかけている私に、「早く来いよ、とろいな」と言う……。
夫と私や子供との間にほとんど会話はなく、家庭内で別居をせずとも精神的に別居をした状態で25年。がまんにがまんを重ねてきましたが、昨年の春、次男が大学を卒業し、就職したのを機に、夫に離婚届を叩きつけました。
「もう限界だから離婚したい」と伝えたところ、「なんでだ? おれたち仲よくやってきたじゃないか」とキョトンとする始末。話し合いをしてもらちが明かず、結局、私の両親も交えて家族会議をしました。
そのとき母から、「子供たちに実家がないのもかわいそうよ。とりあえず、家庭内別居をすればいいじゃない」と言われ、まずはそれで様子を見ることにしました。
それから約1年、夫は2階、私は1階にそれぞれ台所と浴室を作って別々に暮らしています。夫は朝型、私は夜型と、お互いの生活時間もずらし、会わないように工夫もしています。家賃もかからないし、意外と快適。
ただ、家の名義は夫だし、保険や年金の問題など、気になることはあるんですよね。病気になったときに、夫は私を助けてくれないでしょうから、私が夫をどこまで助けるかなど、心配事はありますが、とりあえず久しぶりの自由を謳歌しています。
【アドバイス】お互いが元気なうちに財産の把握を
「家庭内別居が長引くと互いの財産の把握ができず、介護が必要になったときなどに問題に。家の名義だけでなく、保険金の受取人、貯金額などを把握し、今後について話し合いをしてルールを決めておきましょう」(川崎さん)