「今回の参院選は、日本を守るための防波堤」
6月10~13日に時事通信社が実施した世論調査によれば、岸田内閣の支持率は48.7%。物価高への無策がたたり、ついに4か月ぶりに5割を切った。しかも、内閣を支持する人の理由(複数回答)は、「他に適当な人がいない」(19.4%)がトップ。
にもかかわらず、同調査での参院選比例代表での投票予定先は、自民党が37.5%でトップだった。2位の立憲民主党は6.6%と、大きく水をあけている。
「やはり、投票してもしなくても、結局は自民一強で、何も変わらないのだろうか」と思いたくなる。事実、今回の参院選の注目度は低いとされるが、同志社大学大学院教授で経済学者の浜矩子さんが異議を唱える。
「自民党が圧勝すれば、安倍晋三元首相から連綿と続く、現在の自民党の“弱い者イジメ政治”にお墨つきを与えることになります。自民党が圧勝ではなく辛勝するだけでも、議員に“このままじゃだめかもしれない”と思わせることにつながる。今回の参院選は、日本を守るための防波堤になるのです」
衆議院議員総選挙は昨年10月末だった。衆院の解散はしばらくないとみられるため、この参院選を逃したら、私たちが声を上げるチャンスは、当分めぐってこないのだ。ジャーナリストの田原総一朗さんは、投票率の低さに憤る。
「前回の参院選(2019年)の投票率は48.8%。国会議員選挙の投票率が5割を切るなど、先進国とは到底思えない。国民が政治に関心を持たず、政治に緊張感がないことも、政府が変わらない一因です」
投票所に足を運ばないということは、間接的に、いまの岸田内閣と政策を信任しているのと同義だということを、忘れてはいけない。支持率は一応の安定飛行を続けている岸田内閣だが、摩擦や反対が少しでも起きそうな政策決定は行わない。
「そこからついた岸田首相のあだ名が、遣唐使ならぬ『検討使』です。岸田首相は、2022年度補正予算案をめぐる衆院予算委員会で、なんと204回も『検討』と口にしました。低姿勢で検討すると言うだけで、何もしていません。何かやれば支持率が下がるリスクがありますから、こうしただんまりモードの“安全運転”は、参院選が終わるまでは続くでしょう」(飯田さん)
※女性セブン2022年7月7・14日号