元同僚たちから助けられつつ出発!
昨年3月に保育園を退職すると、夢の実現に取り掛かった。とはいえ、何から始めたらいいのかわからなかったという。
「とにかく手探り(笑い)。わからないことだらけなので周りの人に聞いて、たくさん助けてもらいました。リフォームの際も、保育士時代の同僚や元園児の保護者から、“赤ちゃん連れのお客さまが過ごしやすいように畳の部屋は残しては?”など、私では気づけなかった提案をしてもらいました」
そのほか、経営のノウハウやチラシ作り、1000枚ものチラシの投函など、すべて仲間が助けてくれたという。
「地元の喫茶店の店主や商工会議所からは、“1日おきの営業にすると前の日の食材を使い切れないから、まとめて営業した方がいい”とアドバイスをいただき、保育士の元同僚からは“インスタグラムを始めて、そこに営業日や営業時間を書くといいよ”などと、教えてもらいました」
店がオープンすると近所の人や元同僚ら、仲間が来店。彼らがまた新しい客を呼んでくれた。
「保育士時代は職場と自宅の往復で一日が終わっていましたが、いまはご近所さんとの親睦も深まり、ご縁がつながって、増えていく―これが私のやりがいになっています」
オープンして約半年。料理も配膳もすべてひとりでこなしているため、毎日はなかなかハードだ。朝は日の出とともに起きて仕込みを開始。10~11時に店をオープンしたら17時まで立ちっぱなしだ。
「保育士が体力のいる仕事だったので、まだまだ大丈夫(笑い)。とはいえ週に3日はお休みにして店のことを何もしない日も設けています」
何才になっても、知ることで世界が広がる。それが楽しいと笑う斎藤さん。主婦力と経験、人脈を生かし、理想の仕事を手に入れたようだ。
【プロフィール】
斎藤智子さん(67才)/保育士などの資格を生かし、幼稚園や保育園で33年間勤務した後、昨年11月に自宅の1階を改築してレストランを開業。現在は木~日曜の週4日営業している。
取材・文/桜田容子
※女性セブン2022年7月7・14日号