「ウチの店は客の約4割が県外からなんですが、新型コロナによる自粛で売り上げが落ちていたところに、材料費の高騰が重なったので正直厳しいです。
しかし、ウチはリピーターが多く、値上げしたらお客さまが敏感に反応します。ずっと来てくれる方々は一番大切にしなければならない。彼らのためにも『値上げはしない』という根性でやっております」(加茂氏)
同店は現在、加茂氏とパート従業員の2人体制で回している。
そんな小さな店が値上げをせずに済んでいるのは、前年に「設備投資による生産性の向上」を果たせたことも大きかったという。
「以前は手作り餃子にこだわっていましたが、私も高齢になり体力的に厳しくなりました。1年ほど前にパート従業員が退職したことを機に、餃子の皮を包む機械を導入すると人件費のコストが大きく削減でき、生産性が上がりました。それが奏功し、何とか持ちこたえられています。
国内外で手広く販売する大手と違い、細々とした個人経営の当店は、販売網を広げることができません。その上で値上げしたら、さらに餃子が売れなくなって収益を圧迫します。
それよりも価格を据え置くことで餃子の生産数を増やし、売り上げを伸ばすことが当店の継続にとって重要なポイント。餃子1個あたりの原価が上がっても、ここで踏ん張って生産数を増やせば、トータルとして利益になるという考え方です。この先も店を継続することを最優先にして、老体にムチ打って頑張っていきたいですね」(同前)