『くら寿司』や『スシロー』では、一部店舗でセルフレジが導入されている。都内在住の自営業Bさん(40代女性)は、回転寿司チェーンのセルフレジについて、こんな印象を抱いている。
「セルフレジと言っても、店員さんが1人ついているケースが多くて、そこまで時短になっているとは思わないです。接触する機会が減るので、感染対策にはよいのでしょうが、機械の操作が苦手な私にとっては、毎回のように店員さんを呼んで、操作方法を教えてもらうので、逆に時間がかかって気を遣ってしまう部分もあります」
省人化はできても効率化につながっていない?
まだ顧客の側が慣れていないということもあってか、セルフレジやロボットの導入で効率化できている部分もあれば、必ずしも思惑通りになっていない部分もありそうだ。外食チェーンに詳しいライターの小浦大生氏はこう話す。
「コロナ以降、従業員とお客さんとの接触を減らすという目的もあり、セルフレジや配膳ロボットの導入による省人化、サービスの効率化は進んでいます。一部の業務をセルフ化・ロボット化して、その分アルバイトの人数が減っているケースも見られます。そういった場合だと、従業員の負担が減るということではなく、逆にいろいろな作業が増えてしまうこともある。省人化は果たせても、効率化が果たせていないというケースもあるでしょう。
また、省人化すると結果的に、客席を担当する従業員が少なくなり、お客さんが気軽に従業員に声をかけにくくなる可能性もある。そういった面でも、省人化という点については、まだまだ改善の余地があると思います」
コロナ禍でセルフレジやロボットを導入する飲食店も増えているが、消費者の満足度を高めるという点においては、まだまだ課題があるかもしれない。