2021年秋から値上がりが続いている電気代。東京電力は今年3月分から283円、4月分から115円、5月分から146円、さらに6月分は60円の値上げを実施。今後も上がる見通しだ。一方で、電力供給余力も不安視されており、政府は7年ぶりに節電要請を行った。値上げに電力不足のダブルパンチのなか、私たちはこの夏、どう乗り切ればいいのか──。
クーラーの消費電力は冷蔵庫の3倍以上
クーラー(本企画では冷房機能のあるエアコンを『クーラー』と表現しています)を1時間使用した場合の電気代は、起動時の最も消費電力が大きいときで約24円、最小時は3円程度(空調設備の性能や契約電力会社のプラン、部屋の気密性などによって差がでるが、ここでの表記は日立調べの一般値)。資源エネルギー庁の推計によると、夏の日中(14時頃)の在宅世帯の消費電力は約1200W。そのうち約58%をクーラーが占める。24時間つけっぱなしの冷蔵庫も消費電力は大きいが、それでも約17%。クーラーはこの3倍以上なので、どれだけ多くの電力が使われているかがわかる。
となると、クーラーを使わなければ、電気代はかなり抑えられるわけだが、熱中症リスクは捨て置けない。
「夏に節電や節約をするとなると、クーラーをまったく使わずにがまんしようとする人が少なくありませんが、それは危険です。特に暑さに強い人や子供、高齢者は、肌感覚が鈍く、脱水症状を起こしていることに気づけないことも多いんです」
とは、節約アドバイザーの丸山晴美さんだ。できるだけ節電しつつも上手に使い、限られた電力をみんなでシェアしていこう、という気持ちを持つことが大切だ。