鬼門の暗記科目をどう乗り切るか?
かつて経理事務として働いていた丸山菜々子さん(59才・仮名)は、社会保険労務士(社労士)試験に合格後、個人事務所を構えて7年が経つ。
「取得前は、朝8時から夜20時まで勉強していて、家事が息抜きになっていました。家族が応援してくれたのが、何よりのモチベーション。取得に必要な費用はすべて夫が出してくれました。開業当初はセミナーや人脈づくりにお金を使い、収入は少なかった。現在は年間売り上げは1000万円程度になり、昨年、駅前の大きなビルに事務所を移転することができました」(丸山さん)
「元経理なら社労士や簿記」などと、資格を持っていると、ブランクがある場合の再就職にも役立つ。だが、年齢を重ねるほど、資格の有無以上に経験が重視されるのも事実だ。ブランクが長いなら、働きながらの資格取得も視野に入れたい。キャリアアドバイザーの藤井佐和子さんが言う。
「受験するまでの間に勉強しかしていないと、その分ブランクを延ばしてしまいます。資格を取ってから就職先を探すよりも、勉強と並行しながら、関連業種でパートやアルバイトの実務経験を積んだ方がいいでしょう」
何より、50才も過ぎれば、体力も記憶力も、若い頃よりは衰える。暗記ができなかったり、疲れて勉強ができないこともある。鈴木さんは、特に暗記科目が鬼門だと語る。
「必死に覚えても、時間が経てば忘れてしまう。だから、暗記系は試験直前期にまとめて覚えるようにしています。例えば、“○○の罪を犯したら罰金○円”といった事項を覚える際、数字は後回し。初期段階では“何をしたら法律違反になるのか”の部分だけを理解します」(鈴木さん)