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女性同士のマウンティング 「三すくみの関係」が招く終わらない格付け地獄

現代の女性同士のマウンティングは単なる格付けではない(イメージ)

現代の女性同士のマウンティングは単なる格付けではない(イメージ)

 本来、「マウンティング」とは動物が相手の尻に乗って交尾の体勢を取るなど、動物社会での順序を確認する行為を指し、「マウント」には「またがる」「覆いかぶさる」という意味がある。

 それが、沢尻エリカ(36才)主演のドラマ『ファーストクラス』(2014年、フジテレビ系)がきっかけで、「マウンティング」=「女同士の格付け地獄」というイメージが定着した。

 昨年マウンティングを研究した論文が発表され、今年になりSNSを中心に大きな話題に。調査したお茶の水女子大学大学院・人間文化創成科学研究科博士後期課程2年の森裕子さんに話を聞いた。

生き方の多様化で“じゃんけん”状態に

 江戸時代の“大奥”に代表されるように、女性同士の「格付け」は昔から存在した。しかし、現代の「マウンティング」は、単なる格付けではなく、“じゃんけん”のように“三すくみ”の状態にあると森さんは言う。

「かつて、女性の優劣を決めていたのは、主に家庭や家柄といった『伝統的な女性としての地位・能力』、もしくは容姿や若さといった『性的魅力』のどちらかで、マウンティングというより、『嫌み』や『皮肉』と呼ばれることが多かった。しかし、人々のライフスタイルが多様化し、働く女性が増えた現代では、『自立した人間としての地位・能力』というカテゴリーも増えた。それによって、ある部分では一方に勝てるけれど、ある部分では負けるという膠着した三すくみの状態ができ、優劣を決めることができなくなったのです」

“優劣”という決着がつかなければ、永遠にマウンティングを繰り返す羽目になる。また、三すくみが生じるのはいまのところ女性に限定されるという。

「男性の場合は、『仕事でいい結果を出しながら、いい家庭を持つ』という、同じ方向を向いていることが多い。男性の間でもマウンティングは発生しますが、内容がシンプルなためすぐに勝負がつくか、そもそもマウンティングが起こりにくいと考えられます」(森さん)

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