埼玉在住の大松理枝さん(仮名・62才)は、パート先のパン屋で強烈なマウンティングを経験したと話す。
「61才になるオーナーは、その道40年のパン職人。ネットでも有名人で、私は『弟子にしてください』って頭を下げたんです。だから、毎朝5時に出勤し、最低賃金で見習いをやらされても文句は言えませんでした。
ですが、『うちの厨房で失敗なんかしないで!』『私を誰だと思っているの!』とオーナーから毎日怒鳴りつけられ、挙げ句は『しまむらで、孫のパジャマを買ってきて』と私的な用事を言いつけられて……。私もぐっと堪えて買いに行ったのですが、商品が違っていたようで『私をバカにしてるのか!』って、パジャマを床に叩きつけて大激怒されたんです。職人としては一流かもしれないけど、人間としては三流。こんな人とは一緒にいられないと思って、すぐに仕事をやめました」
三すくみの関係でマウンティングが終わらないことも問題だが、大松さんのケースのような一方的なマウンティングは“パワハラ”となり、人間関係を破滅させる。
「女性同士の三すくみのマウンティングは、相手の気持ちを裏の裏まで察する能力と関係している可能性がある。深読みしすぎも問題かもしれませんが、女性同士のコミュニケーションが豊かで繊細なものとなっている可能性が考えられます」(森さん)
人づきあいを窮屈にするマウンティングだが、場合によってはマウンティングによって回避できる問題もあるかもしれない。モヤモヤを感じたら、どのような三すくみ状態に陥っているのか、冷静に見つめ直すのがよさそうだ。
※女性セブン2022年7月28日号