家計

資産4億円を達成した元自衛官 月15万円以上貯めた防大・自衛隊での「激安生活」

FIREを達成した元海上自衛官・倉津貞志さん(32歳)

FIREを達成した元海上自衛官・倉津貞志さん(32歳)

 元海上自衛官・倉津貞志さん(32歳)が、7月21日に『手取り14万円からの生活防衛FIRE』(飛鳥新社)を上梓した。18歳に防衛大学校に入学し、23歳から海上自衛隊に入隊、30歳で資産4億円を達成して退職した倉津さんに、あまり語られることのない防衛大学校や自衛隊のお金事情について聞いた。【前後編の前編。後編を読む

──倉津さんは防衛大学校に入学し、海上自衛隊に幹部候補として入隊。そして、資産4億円を達成し、30歳で自衛隊を辞めています。そもそも、なぜ防衛大学校を選んだのでしょうか?

倉津:高校生3年生のとき、両親がリーマンショックの時期に投資(FX)で失敗し、500万円が一瞬でなくなってしまいました。虎の子の500万円がなくなったことで大学には行かせられない、と親に言われましたが、死に物狂いで受験情報を調べたところ、防衛大学校のことを知りました。卒業後、そのまま自衛官になれば入学金と4年間の学費、約250万円が全額免除。全寮制なので家賃や食費、水道光熱費といった1人暮らしの費用も無料です。しかも特別職国家公務員という身分になるため、「学生手当」という名目で給料が支給されるのです。ほかの国公立大学を考えていましたが、なりふり構っていられないので、防衛大学校を選ぶことにしました。

──防衛大学校ではどのような暮らしでしたか?

倉津:入学すると「学生舎」という寮に住みます。8人部屋で二段ベッド。とても狭いベッドで、下の段が上司にあたる上級生のため、寝る時は大きな音をたてることもできず、気を遣います。生活するなかで細かいルールがたくさんあって、例えば靴を置きっぱなしにしたら、上級生から指導。ベッドに置いてはいけないものを置いたら、指導。貴重品ロッカーの鍵を開けっぱなしにしたらそのロッカーごと撤去されてしまいます。ルールを破ってしまったら、上級生のところに出向いて「呼び出しに応じにまいりました」というのが決まり文句でした。規則を破ると「罰」として腕立て伏せを倒れるまでやらされます。

 もちろん、訓練も過酷で、例えば1年生から東京湾を8キロ泳がないといけなかったり。泳ぎが得意な学生でも、海となると話は別。必死になりながら訓練を重ね、全員クリアしないといけませんでした。

 朝は6時に起床ラッパで起こされ5分で点呼、22時30分の消灯時間まで、プライベートはほぼありません。教場には携帯電話は持ち込み禁止でしたが、上級生になると使っている人も多かったですね。

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