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安倍晋三氏の相続問題 妻・昭恵さんは「富ヶ谷の豪邸」の配偶者居住権なし

安倍家の相続から見えてくる「安倍晋三・元首相の後継者」

安倍家の相続から見えてくる「安倍晋三・元首相の後継者」

 一昨年4月に施行された民法改正で「配偶者居住権」が創設され、夫が亡くなっても、一定の要件を満たせば妻は家に無償で住み続けることができるようになった。

「富ヶ谷の自宅は安倍氏の所有ではないので、そもそも昭恵氏に配偶者居住権はありません。洋子氏の推定相続人は寛信氏と岸信夫氏の2人。信夫氏は岸家に養子に出たとはいえ、洋子氏の実子なので相続権があります。昭恵氏は洋子氏の同意があれば住むことはできますが、洋子氏と養子縁組するか、あるいは洋子氏から遺言状で遺贈されない限り、自宅の所有権は持てません」(山本氏)

 政界の名門・安倍家の象徴ともいえるこの“20億円豪邸”は、将来、兄・寛信氏と弟の岸信夫氏、さらにその子たちである安倍氏の4人の甥や姪に受け継がれていく可能性が高いことになる。

 ちなみに、安倍氏が秘書官や側近と夏の休暇を過ごしたことで知られる山梨県鳴沢村の別荘も、建物は安倍氏の所有だが、土地は洋子さんの名義になっている。この別荘地は安倍氏の祖父である岸信介・元首相がまだ国会議員だった1966年に岸氏の長男・信和氏と長女の洋子さんの兄妹が共同で約1万平米の広大な土地を購入したもの。それを等分して信和氏の土地は養子の信夫氏が相続し、洋子氏の土地に安倍氏、兄の寛信氏がそれぞれ別荘を建てた経緯がある。本来なら安倍・岸家の3兄弟で受け継ぐはずだった。

 別荘の建物を昭恵夫人が相続した場合、昭恵夫人の推定相続人は実家の松崎家の家族(両親や実弟)になるため、将来、土地は安倍家、建物は松崎家が所有するというややこしいことになる。遺産の分割方法次第だが、夫の思い出が残るこの別荘も昭恵夫人の手元に残らないかもしれない。

※週刊ポスト2022年8月5・12日号

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