5月13日から、75歳以上のドライバーの免許更新に「運転技能検査」が加わった。歳を重ねるごとに筋力や反射神経などの身体機能が低下するのは避けようがない。「生涯現役」のドライバーを目指すにはどんな工夫をしていけばいいのか。
導入を検討したいのが、最新技術による運転支援機能の利用だ。この10年で、自動車の安全サポート性能は驚くほどの進化を見せている。モータージャーナリストの川端由美氏が語る。
「最近はサポカー(セーフティ・サポートカー)と呼ばれる安全運転機能を持つ車が増えています。様々な先進技術が搭載されているので、高齢者や視野に不安があるドライバーにはぜひ選んでほしいですね。搭載車両のラインナップが各社で年々増えていて、選択肢の幅が広がりました」
サポカーはカテゴリーも増えており、それぞれの車種に搭載されている機能の充実度によって細分化されているが、いずれも高齢ドライバーの不安を軽減してくれる機能が備わっている。
具体的には前方不注意などによる追突を防ぐ「衝突被害軽減ブレーキ」や、アクセルとブレーキの踏み間違い時に急発進を防止する「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」など昨今多発している「衝突事故」を防ぐ機能が挙げられる。
ほかには眠気やふらつきの際の助けとなる「車線逸脱警報」、先行車や対向車を検知してハイビームとロービームを自動で切り替えるなど視野に不安のある人を補助する「先進ライト」がある。
国もこうした最新機能が搭載された自動車への乗り換えを推奨している。
「今年の5月にはこうした機能が搭載されたサポカーだけを運転することを宣言する『サポートカー限定免許』という制度も誕生。同免許への書き換えは、返納か否かの二者択一ではなく、高齢者が車に助けてもらいながら運転を続ける第3の選択肢となります」(川端氏)